津市安濃体育館 音響設備改修

施工:2017年

施主:津市様

受注元:株式会社山電様 株式会社扇港電機 SE事業部 中南勢事務所様

所在地:三重県津市安濃町田端上野

「平成の大合併」により津市となった旧安芸郡安濃町。
平成6年の国民文化祭開催に伴う町文教施設の刷新に伴い「安濃町中央総合公園」内に建設された「安濃町体育館」。
平成17年の津市との合併に伴い移管され、「津市安濃中央総合公園内安濃体育館」として地域の皆様に親しまれております。

音響設備は長らく新築当初のものをご利用いただいておりましたが、築後20年を経過し設備の経年劣化が目立ってきていたことに加え、天井の改修工事の際防災の観点からアリーナ内の天井板を撤去したことで音の反射が激しくなり聞き取りづらくなったため、平成28年度にメイン・サブ両アリーナの音響設備改修を実施することになり、弊社が設備改修のシステム提案及び施工をすることとなりました。

メインアリーナ

サブアリーナ

 

システム構築に当たっては「聞き取りやすさ」だけでなく「通常操作の簡単さ」「専門知識のある方の操作感」を重視いたしました。

ミキサーは通常操作される施設管理の方の扱いやすさと、イベント等で既設音響を使用した際のオペレーターさんの使い勝手を考え、ヤマハLS9-16を採用。

普段はラックとミキサーワゴンにあるいずれかのモード切替ボタンを押し、フェーダーを上げるだけでご利用いただけるよう配慮しました。また電源の複雑なコントロールもボタン一箇所で行えるようにしております。

 

サウンドプロセッサには定番とも言えるYAMAHA DME64Nを使用。リモート操作により音声が前方から聞こえるほうが良い開会・閉会式や全体に音が届く必要のある競技中に対応するモードを予め設定し呼び出すことで、稼働中のシーンチェンジにも対応。コントロールも操作パネルのボタンを押すだけとしています。

 

メインアリーナスピーカーには、イギリスMARTIN AUDIO社の設備向けラインアレイシステム、O-LINEを採用しました。おそらく県内初の導入と思われます。小型のユニットの組み合わせ数により、空間の広さに自在に対応する柔軟さと、有名アーティストのワールドツアーなどで鍛えられた同社ならではの優れた音質と到達性で式典などのスピーチやフィールド内への選手交代などの音声と、競技によっては必要な音楽ソースをクリアに届けます。

 

パワーアンプもスピーカーとのマッチングを考慮しMARTIN AUDIO純正品を使用。

 

メインアリーナのサブスピーカーとサブアリーナには同じくMARTIN AUDIOのCDD6を採用。同社が特許を持つ非対称拡散ドライバーによる音の均一性と優れたユニット設計により大きさからは想像がつかないほどの音圧と音質を提供します。

 

ワイヤレスマイクシステムも2022年の旧規格使用終了を見据えて一新。

コストと使い勝手・安定性のバランスでSHUREの800MHz帯デジタルワイヤレスシステム、QLX-Dシリーズを採用しております。

 

音響調整卓は通常音響室内(メインアリーナ)・器具庫(サブアリーナ)のラック横に配置されていますが、各アリーナ内の接続盤を利用することで場内からの操作も可能となっています。ミキサーワゴンにはアリーナ内からの操作用DMEリモートコントロールパネルも用意されています。

 

音響設備を一新した津市安濃中央総合公園内体育館様は、2021(令和3)年に開催される「三重とこわか国体」のバスケットボール・6人制バレーボールの全試合を開催する会場として、また国体に続いて行われる全国障害者スポーツ大会「三重とこわか大会」の精神障害者バレーボール試合会場として、全国から集まった精鋭たちが競い合う場となります。

また、弊社では国体レーザーライフル・ピストル競技会場となる「津市一志体育館(旧一志町体育館)」、国体のなぎなたの試合と吹き矢を体力づくりに楽しむスポーツ「スポーツウエルネス吹矢」のデモンストレーション会場「津市久居体育館(旧久居市立体育館)」の2体育館の音響設備改修を施工させていただいており、同様にLS9-16、DME24N、MARTIN AUDIO社のスピーカーによるクリアな音声をお届けしております。